平成16年3月29日 一般質問

<質問事項>
ジェンダーフリー政策について



○議長(中井國芳君) 8番水ノ上成彰議員。

○8番(水ノ上成彰君)(登壇) プロジェクト堺の水ノ上でございます。大変お疲れとは思いますが、この議場、最後の本会議でございます。名残を惜しんでいただきながら、もうしばらくご辛抱ください。

1995年、北京におきまして世界女性会議が開催されました。この会議は、それまでの世界女性会議の集大成をなすものであり、ジェンダーフリー推進派は、この北京女性会議の成果を女性解放運動の根拠にしております。しかし、その反面、この北京女性会議には、少なからぬ疑問の声もありました。その1人がマザー・テレサであり、マザー・テレサは、北京会議の結果を危惧して書簡を送りました。しかし、当時、そのメッセージは無視され、1997年、マザー・テレサが死亡し、その3年を経た2000年5月にやっと公開されました。その内容は、格調高く、心温まるものでありますので、少々長文ではございますが、ぜひ皆様にお聞きいただきたいと思います。

親愛なる皆様へ。第4回世界女性会議で北京にお集まりのすべての方々に神の祝福のあらんことをお祈り申し上げます。

私は、この会議によって、あらゆる人々が神の計画において女性だけに与えられた役割を知り、それを大切なものと受けとめ、さらに尊厳を与えること、それによって、ひいては女性たちが一生のうちに、この神の計画を実現できることを希望します。

私には、なぜ男性と女性は全く同じだと主張し、男女のすばらしい違いを否定しようする人々があるのか理解できません。神より授けられたものは、すべてよきものでありながら、すべてが同じものであるとは限りません。神は、私たち一人一人をおつくりになりました。そして、さらにありがたいことに、すべての人々を愛し、愛される存在にしてくださっているのです。

では、神はなぜあるものを男性に、またあるものを女性におつくりになったのでしょうか。それは神の愛の一つの形が女性の愛であらわされ、別の形が男性の愛であらわされるからです。どちらも愛するためにつくられていながら、それぞれの愛し方が違うように、男性と女性は互いを補い合って完成されるものであり、神の愛を体現するには、どちらか一方よりも両方そろった方が、より神の愛に近づくことができるのです。女性特有の愛の力は、母親になったときに最も顕著にあらわれます。母性は神から女性への贈り物です。私たちは、男女を問わず、世界じゅうに、これほどの喜びをもたらしているすばらしい神の贈り物に、どれだけ感謝しなければならないことでしょうか。

しかし、私たちが愛することや他者のために尽くすことよりも、仕事や社会的地位の方を大切だと考えたり、妊娠中絶をしたりすれば、この母性という神の贈り物を破壊することにもなりかねません。仕事も夢も財産も自由も愛にかえることはできません。男女のすばらしい違いを否定する人々は、自分たちが神によってつくられた存在であることを認めようとしませんし、それゆえに、隣人を愛することもできません。彼らがもたらすものは、対立と不幸と世界平和の破壊でしかありません。子どもたちが愛することと祈ることを学ぶのに最もふさわしい場は家庭です。家庭で父母の姿から学びます。家庭が崩壊したり、家庭内に不和が生じたりしていれば、多くの子どもは愛と祈りを知らずに育ちます。家庭崩壊が進んだ国は、いずれ多くの問題を抱えることになるでしょう。しかし、家族のきずなが強く、家庭が円満であれば、子どもたちは父母の愛の中にかけがえのない神の愛を見ることができ、自分の国を愛と祈りに満ちた場にしていくことができるのです。

子どもは神から家族への最高の贈り物ですが、子どもにとっては、父と母の両方が必要です。なぜなら、父親は父親らしいやり方、母親は母親らしいやり方で神の愛を体現させてみせるからです。ともに祈る家族が離れていくことはありません。愛のあるところには常に安らぎが生まれます。心に愛の喜びを抱き続けましょう。そして、出会ったすべての人々とその喜びを分かち合いましょう。北京会議のすべての出席者と、この会議によって救われようとしているすべての女性が、ともに愛と安らぎの中で暮らし、それぞれの家族とこの世界を神にとって美しいものにするために、お一人お一人がマリアのように慎ましく、清らかであることをお祈り申し上げます。ともに祈りましょう、すべてを神の栄光と御心にささげて、神の祝福あらんことを。マザー・テレサ。

私は、ジェンダーフリー思想を前提した男女平等、または男女共同参画に反対をしております。なぜなら、ジェンダーフリー思想は、もともと男女の差別をなくためには、男女の区別をなくさなければならないという思い込みから、男女の性差の解消や男女の中性化まで乱す考えが含まれており、それを許せば、伝統や文化の破壊になると確信しているからでございます。このような立場の人間をジェンダーフリー推進派はバックラッシュと名づけ、レッテル張りをいたします。バックラッシュとは揺り戻し、または反動保守とも訳されますが、バックラッシュと目される団体に先日の予算委員会の総括で、産経新聞、雑誌「諸君!」、新しい歴史教科書をつくる会、神社本庁、日本会議などが紹介されており、私もそれらをよく存じておりますが、これらの団体の名誉を守るために申し上げますが、男女のあり方、家族のあり方において、その主張するところは、今ご紹介いたしましたマザー・テレサのメッセージの趣旨と全く異なるところはございません。バックラッシュというよりは、正当な保守と位置づけるべきものでございます。

マザー・テレサのメッセージには、ジェンダーフリー推進派が容認できないことが含まれております。ですから、5年間も無視され、公表されませんでした。ジェンダーフリー推進派は、マザー・テレサをもバックラッシュと非難するのでしょうか。私はつい最近、このメッセージを知り、キリスト教信者ではございませんが、深く感銘を受け、そして、私たちの主張の正しさを改めて確信いたしました。マザー・テレサの愛は世界の宝であり、真の男女のあり方、家族のあり方は、マザー・テレサのこのメッセージとともにあります。このことをまず皆様方にご理解いただきたいと思います。

さて、前置きが長くなりましたが、本題に入ります。

去る3月2日、私の大綱質疑の最後におきまして、堺市の進める男女共同参画政策に対してご要望を申し上げました。その中身は、産経新聞に掲載された参議院内閣委員会での官房長官・担当大臣の発言に関連してのことでしたが、議事録が手に入りましたので、正確な文言をもとにご質問いたします。

議事録によりますと、福田官房長官・男女共同参画担当大臣は、ジェンダーフリーという言葉は男女共同参画社会では使わないことにしており、要するに、男女共同参画社会をジェンダーフリーと一緒にするということではない。ジェンダーフリーという言葉は誤解を招くおそれもあり、男女共同参画基本法とか基本計画などにおいて、国の行政において使用しない。ジェンダーフリーという言葉をめぐる誤解や混乱の状態を踏まえると、今後新たに地方公共団体において条例等を制定する場合には、あえてこの用語は使用しない方がいいと考えて指導をしていると答弁されています。また、同じ答弁の中で中島副大臣は、ジェンダーフリーという用語は、使用する人により、その意味や主張する内容はさまざまで、男女共同参画局としては、ジェンダーフリーの公式な概念を示すことはできませんと答弁しておられます。

私は、ジェンダーフリーという言葉は、官房長官や副大臣の言うように、公式な概念はなく、誤解や混乱を招くおそれが強いことから、その弊害の大きさを危惧し、地方行政の場でも使うべきではないと考えます。

そこでご質問いたします。堺市の進める男女共同参画政策とジェンダーフリーとは、どのような関係にあるのか、改めてお答えください。また、今後もジェンダーフリーという考え方や言葉を行政において使い続けるのかについてもお答えください。

以上で第1回目の質問を終わります。

○市民人権局長(宇都保靖彦君) 今の問いに対してお答えしたいと思います。

男女共同参画政策につきましては、堺市男女平等社会の形成の推進に関する条例及びその条例に基づく基本計画である第3期さかい男女共同参画プランに沿って施策を進めております。ジェンダーフリーとの関係でございますが、プランの基本課題1に施策の基本的方向の1つとしまして、ジェンダーフリーに向けた意識の変革を設け、ジェンダーフリーを次のように定義しております。ジェンダーとは、生物学的な性差とは別に、文化的・社会的につくられた性差のことをいう。女らしさや男らしさなど、期待される男女のあり方や、職場や家庭等での役割といった固定化した男女のイメージなどは、社会がつくり上げた人為的なものである。そのようなジェンダーにとらわれない自由な意思や考え方をジェンダーフリーというとしており、男女共同参画社会の実現は、ジェンダーフリー社会が前提であると考えております。

したがいまして、ジェンダーフリーは画一的に男女の違い、生物学的な性差までなくし、人間を中性化するという意味ではございません。

国におきましても、男女共同参画審議会が1996年に総理に答申されました男女共同参画ビジョンの冒頭で、この答申は女性と男性が社会的・文化的に形成された性別、ジェンダーに縛られず、各人の個性に基づいて共同参画する社会をめざすものであるとされており、本市と同様の考えでございます。

今後とも、ジェンダーフリーに対する正確なご理解をいただきますよう取り組んでまいりたいと考えております。以上です。

○8番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(中井國芳君) 8番水ノ上成彰議員。

○8番(水ノ上成彰君) ご答弁ありがとうございました。ジェンダーフリーという言葉を今後も使い続ける意味のご答弁でございましたが、この言葉は和製英語でございまして、さまざまな誤解を生む言葉であることから、いかに定義しようとも、地方行政でも使用をやめるべきであり、また、男女平等や男女共同参画は、あえてジェンダーフリーなどという思想や言葉を使用しなくても十分達成可能だと考えます。

また、本日のご答弁でもありましたし、以前、委員会でもご答弁いただきましたが、男女共同参画社会の実現は、ジェンダーフリー社会が前提であるとの堺市の考え方は現在非常に誤解を生む表現であると思います。ジェンダーフリーという言葉には、現在、日本全国で疑問の声が上がり、見直しをする地方公共団体がふえております。

最近の他の地方公共団体の状況をここに簡単にご紹介いたします。平成15年7月8日、鹿児島県議会において、県内の幼稚園と小・中・高校でジェンダーフリー教育を行わないよう求める陳情が賛成多数で採択されました。平成15年10月8日、石川県議会において、ジェンダーフリーに反対する意味で、石川県男女共同参画推進条例の運用についての請願が採択されました。平成15年10月22日、徳島県議会において、ジェンダーフリー教育を行わないことを含んだ真の男女共同参画社会の実現を求める決議が可決されました。平成15年12月17日、茨城県つくば市議会において、ジェンダーは支配、被支配の関係から生じる性差別という文言に市民が反対し、男女共同参画推進条例が継続審議となりました。平成16年3月19日、千葉県議会において、ジェンダーフリー教育を行わないよう求める請願が採択されました。平成16年3月20日、三重県桑名市議会において、ジェンダーフリーという文言が盛り込まれた男女平等条例について、わかりやすい良識のある条例にしようと改正を求める決議が全会一致で可決されました。山口県教育委員会において、ジェンダーフリーという文言を学校で使わない方針が示され、県内の全小・中学校、高校に通知されました。青森県では、ジェンダーフリーという言葉の使用を中止し、同県男女共同参画センターが発行する冊子名が「じぇんだーふりーあおもり」から「クローバーあおもり」に変更されました。

これがすべてではありませんが、それでもこれだけございます。このようにジェンダーフリーに反対する多種多様の動きが地方公共団体では起こっております。

そこでご質問いたします。このような他の自治体における動きをどのようにお考えになっておられますか、当局の見解をお示しください。

○市民人権局長(宇都保靖彦君) 他の地方議会でのジェンダーフリー教育に反対する陳情等の採択に、各自治体の動きについてどのように考えているかということに対しましてお答えしたいと思います。

各自治体における議会での判断でございますので、それに対してのご意見を申し上げる立場ではないと考えております。本市におきましては、市議会におきましてご議論をいただき、平成14年3月、堺市男女平等社会の形成の推進に関する条例を議決いただいております。この条例に基づき、今後も取り組みを進めてまいりたいと考えております。以上でございます。

○8番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(中井國芳君) 8番水ノ上成彰議員。

○8番(水ノ上成彰君) なぜ、そんな木で鼻をくくったようなご答弁しかできないんでしょうか。世論が大きく動き始めているときに、耳をふさいだままでよい行政ができるとは思いません。多くの国民は、男女平等や男女共同参画という耳ざわりのよい言葉のイメージから、今まで疑問を持たずに任せてまいりました。しかし、やっと政府のめざす男女共同参画社会は何かおかしい。また、ジェンダーフリーはとんでもないことではないのかという大きな疑問を持つようになってまいりました。国民の疑問の声が大きくなるにつれ、官房長官の発言も徐々に変化し、地方自治体においても見直しの論議が盛んに行われております。まさに、その真っただ中に今現在あります。

真の男女のあり方、家族のあり方、男女平等教育のあり方をめざすには、国会での発言、他の地方自治体の動向など、注意深く詳細に分析して、我が堺市の行政の参考にするという姿勢が当然必要となってくるのではないでしょうか。井の中の蛙大海を知らずというごとく、自分だけほおかぶりして、よい行政ができるはずはございません。そこで、すぐにでも他の地方自治体における動きに対し、資料を取り寄せ、詳細に分析を行っていただきたいと思いますが、市民人権局長、担当課へご指示いただけませんでしょうか、どうでしょうか。

○市民人権局長(宇都保靖彦君) 一応、調査は早急にさせていただきたいと思います。堺市におきましては、堺市で議決していただきました条例に基づいて実行させていただくんですけども、今、ご指摘いただきました資料につきましては取り寄せてみたいと考えております。以上でございます。

○8番(水ノ上成彰君) 議長。

○議長(中井國芳君) 8番水ノ上成彰議員の発言は既に規定の3回を終わりましたが、あと1回特に許可をいたします。8番水ノ上成彰議員。

○8番(水ノ上成彰君) ぜひ、よろしくお願いいたします。

最後に、マザー・テレサは昭和56年4月に来日し、1週間日本に滞在いたしました。マザー・テレサが日本人にあてたメッセージは次のように締めくくられています。

豊かそうに見えるこの日本で、心の飢えはないでしょうか。だれからも必要とされず、だれからも愛されていないという心の貧しさ、物質的な貧しさに比べ、心の貧しさは深刻です。心の貧しさこそ、一切れのパンの飢えよりも、もっともっと貧しいことだと思います。日本の皆さん、豊かさの中で貧しさを忘れないでください。

マザー・テレサは、既に20年以上前に日本をこのように見ております。現在の日本を見れば、さらに嘆きは深くなるでしょう。ジェンダーフリーの推進が伝統や文化を破壊し、かけがえのない母性を否定し、子どもから母親を引き離し、心の貧しさを助長しないよう切にお願いをいたします。

少々時間がまだありますので、先ほど平和を子どもにどう伝えるかということが議論になりましたが、一言、私も意見を述べさせていただきたいと思います。

世界には、親日の国がたくさんございます。反面、反日の国もございます。親日の国と反日の国が、どちらが多いかといえば、圧倒的に親日の国が多い。例えば、イラク並びにアラブ諸国は、ほとんど親日でございます。また、親日だけではなく、日本は多くの国より尊敬される国でございます。なぜ日本は世界じゅうから尊敬されるんでしょうか。それは我々が尊敬されているのではなくて、我々の祖先が尊敬されるに値する行動を世界で示してきた。この財産を私たちは受け継いでいるのでございます。しかし、今、日本を尊敬する国々がどんどん減っております。なぜ尊敬する国が減っているのか。日本がもう一度世界から尊敬される国になるためにはどうすればよいか、これを子どもたちに教えなければ、私はならないと、このように思います。

反日の国の偏った歴史観を日本の子どもたちに教えることだけが真実ではありません。このことを先ほどのご意見をお聞きいたしまして、最後に私の意見として申し述べたいと思います。教育政策にどうかお考えいただいて、入れていただきたいと思います。

長い間、話してどうも済みませんでした。以上をもちまして私の一般質問を終了させていただきます。


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