| 平成18年12月15日 文教委員会 |
| 「いじめ問題について」 |
| ◆水ノ上 委員 皆さん、おはようございます。プロジェクト堺の水ノ上です。本日は、いじめについて1点、ご質問させていただきたい。特に何か想定した事件があって質問することじゃなくて、昨今また、いじめが多く、日本じゅうに多く発生し、痛ましくも、子どもたちが自分の命を絶つという事件が相次いでいる。こういう事態は堺でもあり得るし、また、堺は11月にいじめについて調査をした結果、11月時点で、もう昨年のいじめの発生件数を大きく上回っているという報告もされております。決して子どもたちが命を絶つということは、堺においても起こり得るし、また過去にも起こったことがありますし、これはなくしていかなければならないということから、きょうは、こういうテーマについて議論をしていきたいと、このように思います。 いじめというのは、もちろん過去からありまして、その都度、対策が立てられてきました。しかし、一向になくなりません。質が変わっているとも言われております。そこで最初に、最近のいじめの特徴についてお伺いをいたします。 ◎降井 生徒指導担当課長 最近のいじめの特徴でございますけれども、メール、インターネットによる誹謗・中傷など陰湿化・複雑化して見えにくくなっていることが挙げられます。また、いじめる側といじめられる側が容易に入れかわることがあったり、いじめられていた子どもが、もっと弱い立場の子どもをいじめてしまう場合もあります。さらに仲のよかった友達関係でささいな行き違いによって交遊関係で亀裂が生じまして、仲間外れにされてしまうという事例もふえております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 今のお答えにありました陰湿化している。またメール、インターネットなど、そういう器具といいますか、そういうもの電子機器を使った新たないじめ、それともささいなことで執拗にいじめをされると、こういうところが特徴かなと思うんですけれども、先ほど申し上げたとおり、自殺まで追い込むという、とことんまでいくというのも大きな特徴かなと思います。それで、こういういじめがそもそも行われる要因というものは、どのようにお考えでしょうか、お答えください。 ◎降井 生徒指導担当課長 いじめの要因でございますけれども、いじめる側の子どもは他人への思いやりを持てず、いじめをひきょうで恥ずかしい行為だとする正義感を失っていると考えられます。このことは、大人社会の自己中心的で他人の迷惑を省みない風潮も大きな影響を与えていると考えられます。また、家庭における幼少期からのしつけの問題、児童・生徒の多様な能力の適性などに十分な対応ができていない学校のあり方の問題、地域社会の連帯意識の希薄化などの要因が複雑に絡み合い、子どもにストレスを蓄積させるなどの状況がいじめを発生させていると考えております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 今のご答弁は、いじめる側の要因ですが、その中で他人への思いやりを持てずということがありました。攻撃的になってしまう。こういうのはですね、私は母性の不足ということが大きな原因ではなかろうかと。母性が不足、家庭の中で不足すれば子どもが攻撃的、暴力的になる傾向が強いと言われておりますし、また、母親との接触時間が短ければ、不満や不平が外に攻撃をすることによって解消するというようなことがあるように聞いております。また、いじめる側の子どもの要因として、いじめはひきょうで恥ずかしい行為だとする正義感がなくなってきた。 これは先ほど、先ほどといいますか、11月に文部科学大臣から子どもたちに配布された、未来のある君たちへ、という中にも入っております。弱い立場の友達や同級生をいじめるのは恥ずかしいこと、仲間と一緒に友達をいじめるのはひきょうなことというふうに文部科学大臣から子どもたちに、こういうメッセージが伝わっておるわけですが、このいじめをひきょうでとか、恥ずかしいということは、なかなか子どもたちはぴんとこないんではないか。ひきょうとかそういうものは既に死語になっていて、なぜそういうことをしてはいけないのか、ひきょうなことというのはどういうことかわからない生徒が多い。これは、先ほどの母性に対して父性の欠如かなと、このように思います。 男女の区別を否定するような教育が蔓延している中、男は男らしく。例えば、このひきょうというのは、昔から言えば男は男らしくしなさい、男のくせにと、そういうふうに育てられて、ひきょうなことはしてはならないとしてたわけですけれども、そういうことを言われなくなったおかげで、そういうこと、ひきょうなことも平気でやってしまう。そういう子どもたちがふえているのではないか、このように思います。 いじめる側の論理はそうですが、いじめられる側の子どもたちにはどういう問題があるのか、さして私はいじめられる方には悪いことはないとは思います。あるとすれば、いじめられたら何にも抵抗することなくずっとされている。戦う気力もなく、戦う気力もなくといいますかね、なることによってどんどんエスカレートしていく。そういう面もあるかもわかりませんけれども、多くは、このいじめられる方には家庭的な問題、また教師の信頼の問題があるのではないか。 家庭的な問題というのは、家庭の中で相談する親がいつもいない。また、お父さん、お母さんの愛情が十分に注がれていない。そのように感じている子どもたちが、そういういじめがあったことに対して相談する者がいない。そういうところに大きな要因が、こういういじめが蔓延する要因があるのではないか、このように思うわけです。それが講じましてですね、自分の命を絶つというような、本当に痛ましいような結果になる。このことについて一言お聞きしたいんですけれども、子どもたちがいじめを苦にして自殺をする。このことについて市教委はどのようにお考えでしょうか、お答えください。 ◎降井 生徒指導担当課長 いじめにより児童・生徒がみずから命を絶つという痛ましい事件が相次いで発生していることは極めて遺憾であり、児童・生徒がみずから命を絶つということは、理由のいかんを問わずあってはならないことであり、深刻に受けとめているところです。いじめられる側の子どもはみずからを否定された言動を受けることにより、相談する相手も見つけられないまま孤独感にさいなまれ、将来の展望を見失うこととなります。学校教育に携わるすべての関係者一人一人が改めてこの問題の重大性を認識して、いじめの兆候をいち早く把握して迅速に対応する必要があると考えております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 子どもたちが死を選ぶというのは、非常に重要といいますか、死を選ぶというハードルは非常に高いんだと思うんですね。それを簡単に飛び越えてしまうというところに根の深さがあると思うんですけれども、先日調査されたいじめの発生件数でも、小学生の6年生から中学生にかけて、中学1年生にかけて非常に多い。これは子どもたちの自尊心が非常に発達した時期なんですね。この自尊心が発達している時期に自分を否定されるような言動を受け、この子どもたちは何も肉体的な虐待を受けているとかそういうことではなくて、しょせんというたら語弊がありますが、言葉によるいじめなんです。しかし、この時期の子どもたちは非常に自尊心が発達している中、そういう中で同級生たちに、おまえは価値がないとか、そういうふうな言葉のいじめを受ける。そういうことによって、言葉によるいじめですが、みずからの命を絶つというような方法を選ぶ。 そのみずから命を絶つという行為はですね、ある面、反抗できない、最後の復讐、そういう者たちに対する復讐の手段として、例えば、遺書にいじめられた者の名前を書いて自殺することによって、そのいじめられた子どもに社会的に責任をとらせるというようなこともあるでしょう。そういうことから死を選ぶという研究もあります。これがすべてではないでしょうけれども、そういう一面がある。いじめる、いじめられる、そういう子どもたちを助けるのはですね、一義的には家庭を、温かい家庭をつくる、もうそれしかないと思うんですね。皆さんの教育現場の問題というよりも、堺市からそういう情報を発信して家庭、温かい家庭をつくる。 例えば、死を選ぶ前に、自分を守る人がいる、自分が死ねば悲しむ人がいる、そういう、例えば家族の顔とか、そういう顔が浮かべば死を選ぶに対しては逡巡するでしょう。そういうことをしてはいけないと思うでしょう。親に愛されているという実感があれば、そういうことはなくなると。ただ、先ほど申し上げたとおり、いじめられる側には親に愛されている実感が少ない、親にも相談できない、友達も少ない、そういう中で死を選ぶ。このようなことが多いんじゃないかと、このように危惧するわけです。 そういうことも含めましてですね、これから学校現場においてもいじめを根絶するためにもろもろ施策をとっていく必要があると思うんですけれども、今後の学校のこれから、こういう事態を含めて学校の対応についてお聞かせください。 ◎降井 生徒指導担当課長 いじめに対する学校の取り組みでございますけれども、いじめは人間として絶対に許されないという強い姿勢で指導を行い、いじめはどの子どもにも、どの学校にも起こり得るという危機感を持ち、教職員の児童・生徒間や指導のあり方及び学校の教育活動全体が問われる問題であると認識して対応しております。いじめを把握した際には、学級担任の特定の教員が抱え込むことではなく、学校全体、組織で対応することが重要でありまして、校長のリーダーシップのもと、教職員の綿密な情報交換を行い、相談体制の充実を図るなど、一致協力して対応する体制を整えております。以上です。 ◆水ノ上 委員 今のご答弁の中でですね、いじめの兆候をいち早く把握して迅速に対応することが大切、これが、私もそう思いますし、この情報ネットワークといいますかね、これを構築していかなければならない。学校を中心とした教師と生徒と保護者のいじめの情報ネットワーク、何かあればすぐに教師が把握できる。また、教育委員会が把握できる。このような情報ネットワークをつくる必要がある。そのためには一番大事なのは教師の信頼感なんですね。どこかのいじめの事件でありました。教師がいじめの加害者の方に加わっている、教師がそういういじめを助長している、こういう事件がありました。そういう事件を見れば教師の信頼感は失墜します。 また、堺の学校でも、どのくらいまで信頼されているかわかりませんけれども、いじめに対して見て見ぬふりをするとか、わかってても対応しない。後で言われて、ああ、そういえばそういう兆候がありましたというのではなくて、子どもから、生徒から先生が信頼されて、この先生に言えば、いじめはなくなる。保護者を通じて、そういうネットワークをつくることがまず大事だと、このように思います。そういう対症療法的なことはもちろん必要ですけれども、先ほど要因でございました、いじめの要因というのは根が深く、すぐに解決できるとは思いませんが、いじめというものは根絶していかなければなりません。時間がかかるかもわかりませんけども、やっていかなければならない。そのためには抜本的に方向性を決めて、市教委として何かやっていく必要があると思うんですけれども、市教委の今後の取り組みをお聞かせください。 ◎降井 生徒指導担当課長 教育委員会の取り組みといたしまして、現在、緊急の取り組みですけれども、子どもの電話相談の充実、それからピュアサポート事業の展開、小学校へのスクールカウンセラーの配置など、学校に対する支援について検討を進めているところであります。いじめ問題の対応については、子どもたちに人間としての生き方をどう教えるかが抜本的な取り組みであり、大切であると思っております。ただし、判断力、不正を許さない正義感は、学級活動や道徳時間を中心として、あらゆる教育活動を通じて養わなければなりません。市教委といたしまして、本市が作成している道徳資料集の一層の活用を図るなど、心を育てる教育に力を注ぎ、家庭・地域と連携して、いじめ問題に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆水ノ上 委員 ご答弁ありがとうございます。抜本的な解決というのは大変難しいと思います。今おっしゃっていただいた、人間としての生き方をどう教えるかが大切である。教育現場では人間らしくとか、自分らしくという言葉を使われますけれども、男は男らしくという言葉は使われなくなった。私はあえてそういう言葉に、過去言われていた正義というのがあると思いますし、そういうものを教えていかなければならない。人間は人間らしくというてもですね、私はいじめというのはなくならないと思います。そういう人がおる限りですね、弱い者を助けると、弱い者をいじめるということはひきょうということを教えない限りは、いじめというのはなくならない。先ほど母性と父性という話をしましたけれども、温かい家庭をつくり、また、そういう面で、先ほど申し上げた面で正義感を植えつけるような教育をしていかなければならない、このように思うわけです。 先日、おとといですね、実は大阪府立大学の元学長の矢吹教授とお昼をご一緒する機会がございまして、私はこの委員会でいじめについて話しをするというので、先生、どういったご見解をお持ちですかと言ったら、いじめというのはほとんど家庭教育に問題があるんだなとおっしゃってました。家庭教育をしっかりしなければ根本的にはなくならない。 そのときにおっしゃってたのが、エピソードですが、10数年前になるでしょうかね、サッチャー元首相が、英国のその当時の首相が大阪に来られて、大阪で講演をしたらしい。1時間半の講演で45分、1時間半の講演だったんですけれども、45分で切り上げて、後の45分間は質疑応答の時間をとったらしいんです。そのときに女性の方がサッチャー首相にこういう質問をした。日本は男女平等というのが叫ばれているけれども、男の人が子育てをしないのはけしからんと思いますけれども、サッチャー首相はどう思いますかと言うたら、サッチャー首相は激怒したらくして、あなたは男に子育てができると思ってるんですか。子育てというのは女の権利であって、これを放棄して、男にそれを渡すなんていうことは、そういうことになれば、その国の教育はだめになりますよというようなお話をされたらしい。 サッチャーの教育改革ということで、イギリス病がサッチャーの教育改革でなくなったと聞いております。サッチャーが言われたことは、その母性の重要性ということを言われたんだと。このいじめというものは、先ほど申し上げた父性というよりも母性の重要性が非常にかぎになっていると、お母さんがいつも家庭におって、温かい家庭をつくる、いつも会話ができる。そういう家庭であれば、いじめられる子も相談するでしょうし、いち早くいじめの兆候を察知することができる。また逆にいじめられる子も心が落ちついて攻撃性がなくなるかもわからない。こういう意味で、その家庭の重要性というものを、いじめを根絶するための一つのキーワードとして皆様方が情報を発信をしていただきたいと、このように思います。 以上で、本日の私の質問を終わります。ありがとうございました。 |